相続税の申告期限は延長できるの?
相続した財産が相続税の基礎控除額を超えてしまうと、「相続税」を支払わなければならず、相続開始の翌日(または知った翌日)から10ヶ月以内に「相続税申告」をしなければなりません。
その他、控除などを利用することで実際には支払う相続税がなかったとしても、控除を適用させるためには必ず相続税申告をしなければならないのです。
もし、この期間を守らないでいると、延滞税といったさらなる課税がされてしまうので、相続税申告というのは、常にスケジュールを気にしていなければなりません。
ただし、特別な事情がある場合に限って、申告期限を延長させることが可能となっています。
では、どういった場合に申告期限は延長できるのでしょうか?
延長が認められる特別な事情
相続税申告の延長が認められるのは、主に以下のような事情があった場合です。
- 認知や相続人廃除などの理由で相続人に変動があった場合
- 相続開始後に遺言などが発見されるなど相続分に変動があった場合
- 相続分を争う調停や裁判といった法的手続きの利用があった場合
- 相続開始時には生まれてなかった胎児が生まれた場合
- その他、災害などやむを得ない特別な事情がある場合
上記のような事情があった場合、原則的には2ヶ月を目安に申告期間の延長が認められ、場合によっては解決に至るまでの期間、延長が認められることもあります。
しかし、あくまでも最終的には管轄税務署長の判断に任されており、相続という様々な状況が想定される以上、ケースバイケースな側面が強いため、必ず延長が認められるものとは考えないようにしましょう。
一度納めた後に更生する方法も
なお、上記のような特別な事情がある場合に関しては、一度相続税を納めた後に、更生することも可能となっています。
一度納めている以上、延長される2ヶ月という期間にとらわれる必要はなく、大幅に納めすぎてしまった場合は、後からでも還付を受けることが可能となっています。
この際に税務署に提出するのは、「期限後申告書」というものです。
通常、期限をすぎた後の申告は、冒頭で触れたような延滞税や、無申告課税が追加されてしまうのですが、上記のような特別な事情がある場合に限っては、追加で課税されることはありません。
とはいえ、税務署に対して正確な報告をするためにも、税理士といった相続税を取り扱うプロに相談・依頼し、余計な税金を支払う必要がないような書面を作成してもらうのが何よりも重要です。